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甲佐町の文化財探訪 「磨崖五輪(まがいごりん)と梵字(ぼんじ)の塔」〜平成30年12月号

更新日:2018年12月1日

「磨崖五輪(まがいごりん)と梵字(ぼんじ)の塔」

 仏教の歴史の中で、山肌に仏像を刻む伝統がありました。古い例では、アフガニスタンのバーミヤン渓谷(けいこく)などがあります。こうした山肌や岩壁に刻まれた仏像は「磨崖仏(まがいぶつ)」と呼ばれており、自然の中で雨風にさらされながらも、信仰が根強く残っています。そして「磨崖仏」は遠くシルクロードを経て、日本にも伝わってきています。

 この甲佐町にも摩崖五輪塔と梵字の塔が緑川左岸の安津橋際(あんしんばしぎわ)にあります。15世紀ごろに刻まれたものと考えられています。壁には阿弥陀如来(あみだにょらい)、勢至菩薩(せいしぼさつ)、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)が刻み込まれています。五輪の塔は地、水、火、風、空の五大(ごだい)を、方、円、三角、半月、団形(如意珠(にょいじゅ))で象徴して五輪(ごりん)とされ、これを石でかたどって、下から順に積み上げたものですが、ここの場合は崖の岩石に刻まれているのが特徴です。

 横の摩崖碑(まがいひ)には梵語で阿弥陀如来、勢至菩薩、観世音菩薩が刻まれています。その下には文字が記されているが風化して読み取れません。この摩崖碑は板碑と同じように供養塔の意味を持つものであると考えられます。

 村の古老の話では、この場所にあることは知っているが、その由来等はよくわからないそうです。ここは、緑川によってけずられた阿蘇火砕流の崖が直立しており、火砕流は溶結度の低い溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)です。そのために文字や絵を刻み込みやすかったと思われます。

磨崖五輪(左)と梵字の塔(右)

 


 

 

磨崖五輪

 

 

 

 

 

 

 


 

梵字の塔



文責・甲佐町文化財保護委員 赤星 眞照(有安区)

 

 


お問い合わせ

甲佐町教育委員会 社会教育課 社会教育係
電話番号:096-234-2447この記事に関するお問い合わせ


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